大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和23年(れ)284号 判決 1948年6月08日

主文

本件上告を棄却する。

理由

辯護人五井節藏同長谷川宏の上告趣意は末尾添附の別紙書面記載の通りである。

上告趣意第一點について。

記録に徴するに第一審判決は、被告人を懲役一年六月に處し未決勾留日數中三十日を本刑に算入したのに對し、原判決は、被告人を懲役一年に處し未決勾留日數を本刑に算入しなかったことは、所論の通りである。しかし原判決において未決勾留日數を本刑に算入しなかったとしてもなお一審判決に比較すれば、実刑に服すべき期間は五ヶ月短いので、被告人にとり利益でありまた輕きものであることは明白であるから、未決勾留日數を本刑に算入しない一事を以て法律の解釋を誤ったものであるという論旨は理由なきものである。

(その他の判決理由は省略する。)

よって刑事訴訟法第四百四十六條により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

(裁判長裁判官 長谷川太一郎 裁判官 井上登 裁判官 庄野理一 裁判官 島 保 裁判官 河村又介)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例